ジェネリック、始めました!

 

おくすり(ジェネリック)

ジェネリック、始めました!

年々増え続ける医療費に少しでも歯止めをかけるべく、国は値段の安いジェネリック(後発医薬品)を推進しています。 ジェネリックについては、まだまだ論議は尽くされていない状況ですが、患者さんの支払い金額を減らしてほしいご要望にお応えして、徐々にジェネリックを増えしていくつもりです。

ただし、患者さんの自由な選択を尊重しながら、主治医・処方医としてのアドバイスもさせていただきます。

ジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品については
「メーカー品の特許期限が切れて、そのまま安くなっただけのクスリ」
「メーカー品とまったく同じクスリで、しかも安い」
と片寄った誤った情報が、患者さんのあいだで広まっています。

正しい知識はこちらから

ひらめき 患者さん向け・医療従事者向けHP(外部サイト)

ジェネリックにもこだわりあり!

「自分が飲まない・家族に出さないクスリは処方しない」
これは私の医師としての矜持です。

人は、一介の医師よりテレビで有名な俳優さんが言っていることを信用しがちです。
そこが悲しいところですが、俳優さんより信用してもらえるように、頑張ります!

First, do no harm. 「何よりもまず害をなすなかれ」 

患者さんの「自己決定権」と、医師による「慈愛に満ちたパターナリズム」

ネットなどで医療情報が氾濫している今でも、患者さんは残念ながら自分の病気・クスリについて、正確に理解できている方は殆どおられないように思います。

私が患者さんを診療するにあたって常に意識していることは、
患者さんの置かれている状況によって多少の「ブレ」はありますが、
基本「医療の本質から外れない」こと。

どなたを診療するにおいても「同じ説明・同じ治療・同じクスリを処方する」ことです。
これは私が作った造語ですが「慈愛に満ちたパターナリズム」です。

昨今の不況は、そうは言っても「クスリとしての作用・副作用も大きく変わらないのであれば安い方にしてくれ」と言った患者さんの意見もよくわかります。

ですから、「ジェネリックにしてくれ」「少々高くてもメーカー品が良い」といった患者さんの要望については、できる限りお応えしたいと、

けれど、どうしても「このクスリだけはメーカー品(先発品)を使わせてくれ、
この場合にかぎっては、メーカー品(先発品)が患者さんのお身体のために最善だ」
と。

患者さんの「自己決定権」も尊重しながら、
皆さんのためを思う医師である私の「慈愛に満ちたパターナリズム」

どちらをより優先させるか?

お一人お一人の患者さんの状態や病気・患者さんの希望によって、微妙にこのバランスを変えていくのです。

「慈愛に満ちた」パターナリズムとは? 私の考え

パターナリズム(父権主義)とは、一般に「知識・立場的に上にある人が、下にある人の利益になるよう、働きかけること」と理解されています。
つまり、医師が患者さんを「見くだす」「上から目線でモノを言う」と言うことだそうです。
医療の世界においては、この考え方は20年前くらいより「前近代的」とネガティブに理解されており、今やすっかり定着した感があります。

しかし、それだけでしょうか? 愛のないパターナリズムは、単なる権力の濫用です。

「子供の幸せを心から願う」父親が、子どもに対して「見下したり、威圧的に振る舞ったり」するでしょうか? むしろ、子どものさまざまな要望に対し、盲目的に「何でも叶えてあげる」ことより、生きていく上で本当に大切なことは「しっかりと説明して諭す」のではないでしょうか? 診察室で行われている診療も同じです。

「慈愛に満ちた」パターナリズムとは「患者さんの健康を心から願う」医師であるからこそ「しっかりと説明し、一番いいと思われる方向に教え導く」こと。
深刻な病気の説明の時ではなく、軽症の外来患者さんが多い一般診療の現場こそ、
まさに「プロフェッショナル オートノミー」(職業的自律性)が発揮される場だと考えています。
そういう意味で医師の責任は大きく、日々の研鑚が必要なのです。

更に詳しい説明と、当院の方針

ウィキペディアより ジェネリック医薬品に対する「現在の私」の認識と処方方針についてジェネリック(後発)医薬品は、メーカー(先発)医薬品に比べて

  1. クスリの値段が安い メーカー品の2割~7割(多数のジェネリックメーカー有り)
  2. 「にせ物」ではない(国が保証)が、「全く同じ」ものでもない
  3. 品質・有効性・安全性において、メーカー品に比べて不確実性があることは否めない

以上を踏まえた上で、「患者さんの財布」と、以下の「私の見解」に照らした上で、
医師である私と患者さんとの相談した上で、ジェネリックを処方(メーカー品から変更)します。

  1. ジェネリック医薬品の処方を、患者さんの「支払い能力」によって変える(ように誘導する)ことはしない。あくまで「患者さんの自己決定権」を尊重する
  2. たくさん存在するジェネリックの中で、最も信頼できる「であろう」ジェネリックを、信頼のおける医師・薬剤師に相談した上で決定し、処方する
  3. 短期処方薬(風邪薬)など、患者さんの「支払金額に殆ど差が無い」クスリに関しては、敢えてジェネリックにしない
  4. その他、私が積極的に勧めないクスリ(自分が飲むのであれば、絶対にメーカー品にして欲しい)以外を、ジェネリックとして処方する。

※  当然この方針は今後、ジェネリックの品質(有効性・安全性)の評価が客観的になされた場合には、変化していきます。

ジェネリックについて、更に詳しい情報を知りたい方へ

厚生労働省HPより

東京都保険医協会 ポスター(簡潔に書いてあります 少々過激?)

京都府保険医協会 (比較的中立の立場で、良くまとまって書いてあります)

更に詳しく知りたい方へ

ご存知ですか?診察・お薬にかかる料金の比較

CASE 1


CASE 2

オーソライズドジェネリック(AG)導入しました。

 当院では、ジェネリック医薬品を徐々に導入しています。
これに加えて、今回3種類のオーソライズドジェネリック医薬品を導入しました。
オーソライズドジェネリックとは「先発医薬品と全く同じ医薬品を、ジェネリック医薬品として発売する」という事です。

先発品(メーカー品) オーソライズドジェネリック(AG)
アレグラ錠:サノフィ
60mg:71.9円
フェキソフェナジン塩酸塩錠「SANIK」:
日医工サノフィ(日医工とサノフィの共同出資会社)
60mg:41.4円
ブロプレス錠:武田薬品工業
4mg:69.8円
8mg:135.6円
カンデサルタン錠「あすか」:
あすか製薬(武田薬品が筆頭株主)
4mg:41.9円
8mg:81.4円
クラビット錠:第一三共
250mg:253.6円
レボフロキサシン錠「DSEP」:
第一三共エスファ(第一三共の子会社)
250mg:126.8円